「坂の上の雲」登場人物
五十音順一覧表 【え】

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袁世凱【えんせいがい】

 1859年〜1916年。清国の軍閥政治家。李鴻章の幕下で壬午・甲申の変などの鎮圧に従事。日清戦争での敗北後は清国陸軍の近代化に力を入れ始める。李鴻章没後に権勢を強めていくが、後ろ盾であった西太后が亡くなると一時失脚した。
 1911年、辛亥革命が勃発すると反乱軍の鎮圧を命じられるが、革命派と連絡を取り、自らの臨時大総統就任を条件に清国皇帝を退位に追い込んだ。その後、孫文らを排して独裁権力をふるい1916年に帝政復活を宣言して即位する。しかし、内外の強い反発によってわずか1年で退位し、失意のうちに没した。

袁世凱と秋山兄弟

 清国駐屯司令官時代、好古は袁世凱との交友関係を深めていた。ある日本人が日清両国親善の一環として袁の子供達に来日を勧めた際、袁の妻は「秋山さんと一緒なら」という条件で訪日を許したという。好古も袁を信用し、日露戦争中に偵察に向かう部下に「何かあったらこれを持って袁世凱のところへ行け。きっと力になってくれる」と言って自分の名刺を持たせていた。
 一方、真之は大正二年頃から日本亡命中の孫文を支援し始め、袁世凱政権打倒のために資金や協力者を集めた。結局、真之らの支援は失敗したのだが、この頃に好古が弟の行動を知っていたのか、また知っていたとしたらどの様に思っていたのかということについては記録が残っていない