書名 |
写真画報臨時増刊 |
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出版 |
博文館 |
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出版年 |
明治三十九年 |
児玉源太郎が亡くなった直後に出版された写真画報の臨時増刊号。「日露戦争写真画報」同様の構成で、写真が50ページ分掲載されています。しかし、児玉自身が写っている写真はそれほど多くなく、台湾総督を務めていた関係で当時の台湾の写真が約20ページ、その他には児玉の葬儀の写真なども掲載されています。記事の内容は児玉の評伝や逸話が中心となっており、山県有朋、乃木希典、大隈重信、樺山資紀らの追憶談も掲載されています。乃木自身は若い頃の思い出を半ページ程度しか証言していませんが、興味深いのが「或る年児玉が佐倉の第二連隊長で、私が東京の第一連隊長で、下総の習志野で対抗演習をやった事が色々の新聞に掲げられているが、あれは事実です」と、乃木の戦下手をよく表す有名なエピソードについて語っていることです。親友の乃木にとっては、演習での大敗北もよい思い出だったのかもしれません。
古書市場での流通は少ないのですが、1冊あたり2000円〜3000円程度。マツノ書店でも復刊されており、こちらは状態の良いものが2000円なので復刊版の方が良いかもしれません(参考資料:マツノ書店のパンフレット)。