孫子
1,「孫子」とは
中国の最も古い兵書で、春秋〜戦国末期に書かれたとされている。作者は呉王に仕えた孫武と言われているが、はっきりしたことは分かっていない(彼の伝承も史記に少し記されているだけ)。有名な武田信玄の旗印「風林火山」や四字熟語「呉越同舟」は孫子の一節。
2,「孫子」の成立
現在の「孫子」は曹操が注釈をつけた「魏武注孫子」が基になっていると言われている。それ以前のものについては分かっていない。また、内容が簡単すぎることから後世になって多くの注釈書が出回るようになった。中国では「魏武注」と「十家注」の孫子が有名。日本では林羅山、山鹿素行、新井白石、荻生徂徠、吉田松陰らが注釈書を書いている。また、第二軍参謀長落合豊三郎も「孫子例解」という本を執筆している。
3,「孫子」の評価
第二次大戦中のドイツ大使大島浩がドイツ将校に述べた評価 : 「内容は深遠だが、記述は茫洋としている。これをたとえれば釣り鐘のようで、弱くたたけば弱い音が、強くたたけば強い音がでる。つまり、読者の能力によっては、重要な教訓を得られることもあるが、大した教訓を得られないこともある」
4,「孫子」の愛読者
曹操、武田信玄、山鹿素行、ナポレオン、毛沢東、落合豊三郎、サダム・フセイン
〜 要約 〜
参考文献
「新訂 孫子」<金谷治、岩波文庫>