書名 |
明治卅七八年日露戦史戦例索引 |
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編集 |
参謀本部第四部 |
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出版 |
偕行社 |
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出版年 |
大正十五年 |
陸軍の公刊戦史「明治卅七八年日露戦史」は1冊あたり600〜800ページ、それが全10巻。とても読む気になれない分量です。こんなものを作ってしまった参謀本部でもやはり不便だと感じたのか、大正十五年には公刊戦史の索引集を出版しています。「政略と戦略」「統帥」、さらには「騎兵戦闘」「夜間戦闘」「奇襲攻撃」など小部隊単位の行動まで、公刊戦史とその後出版された「日露陸戦新史」の中から多くの例証を集めて編集されています。
例えば、日本騎兵の機関銃攻撃について公刊戦史の該当箇所を調べたい場合、索引集の目次から騎兵戦に関する章(「第二部 各兵種ノ戦闘」−「第二款 騎兵戦闘」−「第五項 騎兵機関銃」)を探し、該当ページを開くと次のような表が掲載されています(実際は縦書きですが、サイト構成の便宜上横書きにしています)。
号番 | 目 | 事跡 | 巻 | 章 | 頁 |
1 | 騎兵戦ニ於テ好機ニ投シタル機関銃射撃 敵ノ戦闘部隊ヲ撃退シ戦勝ノ因ヲ為ス |
三十七年五月三十日田家屯付近ニ於ケル 騎兵第一旅団機関銃隊ノ戦闘 |
一 | 一五 | 自 五〇四 至 五〇八 |
2 | 騎兵機関銃敵ノ予備隊及其第一線ヲ射 撃シ之ヲ撃退ス |
沙河会戦三十七年十月十二日本渓湖付近 ニ於ケル騎兵第二旅団ノ機関銃隊 |
四 | 三一 | 二四四 |
ここから、日露両国の騎兵が初めて激突した曲家店の戦いに於ける騎兵機関銃隊の戦闘については第一巻の504〜508ページに、沙河会戦に於いて苦戦中の梅沢旅団を救った機関銃攻撃については第四巻の244ページに詳述されているということが分かります。
市場価格は1万円〜2万円。私は他の古書2冊とセットで三千円くらいで購入しましたが、公刊戦史そのものを読み込む気がほとんど無いため使っていません。