一重づゝ一重づゝ散れ八重櫻 三井寺をのぼるともしや夕桜 遅桜静かに詠められにけり 大桜只一もとのさかり哉 門前に児待つ母や山桜 うそのような十六夜桜咲きにけり 傘に落つる櫻の雫かな 夜櫻の中に火ともす小家哉 山櫻さく手際よりちる手際