記念宴が始まったものの、特に知り合いもいないので誰と話すわけでもなく、最初の30分ほどは飲み食いしながら会場内をウロウロしていました(^^; でも、「せっかく参加したんだからこのまま終わったらもったいない!」、そして、「せめて真之の孫である大石尚子さんにはご挨拶をしよう」と決心しました。
「ひとびとの跫音」に書かれていますが、司馬さんは「坂の上の雲」の執筆前に子孫の方々を招いて挨拶をしています。僕はその「坂の上の雲」のサイトを運営しているわけですから、やはり同じように子孫の方々にご挨拶をしておきたいと以前から考えていました。
実は3年前、好古の孫である秋山哲児さんからはメールを頂き、その時に簡単にご挨拶をさせていただいたことがありました。その後、2003年の文芸春秋7月号に「坂の上の雲」の登場人物(好古、真之、東郷、児玉)の子孫の座談会が掲載されたときも、その情報をメールで教えていただきました。その記事を見て、大石さんが真之の孫であるということを知ったのです。
さて、実際にご挨拶をしようと思っても、大石さんは地元神奈川の衆議院議員。様々な方々から頻繁に話しかけられている状況だったので、なかなか話しかける機会がありませんでした。半ばストーカー状態で機会を伺い続け、ようやくお一人になったときにご挨拶に行きました!
とにかく緊張していたので、最初は何を話したのかあまり覚えていませんが・・・・、とりあえず、「坂の上の雲」のサイトを運営しており、お祖父さんのことも書かせていただいております、というようなことをお話ししたと思います。そして「実は秋山哲児さんからもメールを頂いたことがありまして・・・」と話したところ、大石さんから意外な一言が。
「あら、哲児さんならここに来ているわよ。さっきまで一緒に話していたんだけど・・・どこに行ったのかしら?」
・・・えっ!? 本当ですか!!!!
「哲児さん、まだこの会場にいるかもしれないから、一緒に探しましょうか」
と、大石さんが歩き始めました。それから約20分ほど二人で(途中で秘書の方も巻き込んで)会場内を探し回ることになりました。その途中、大石さんは様々な方々から声をかけられて、ご挨拶や記念撮影などをされていましたが、そんな忙しい状況にもかかわらず、初対面の僕のために秋山さんを探してくださりました。本当にありがたいことです。
そして、13時55分頃(ちょうど100年前にはZ旗が掲げられた時間)、会場の端のほうで「あっ、あそこ」と大石さんが指した方向に秋山さんが!! ついに秋山さんともお会いすることができました。メールを頂いたのは2年前のことでしたが、簡単に自己紹介をして名刺をお渡ししたところ、「あっ、そうか、確か九州だったよね」と思い出していただけました。その後お二人からも名刺を頂いて、さらに一緒に記念撮影!! (後日、秋山さんから手紙と共に、このとき撮影した写真を頂きました)
これが頂いた名刺です。大石さんの名刺には「衆議院議員」の文字が。国会議員の名刺もあるんですね。秋山さんも会場で多くの方と名刺交換をされたようで、「どれが自分の名刺か分からなくなった」と笑いながら名刺の束の中から自分の名刺を探し、そのうちの一枚を頂きました。記念宴のあとで名刺の裏面を見たところ、他の方との会話中に書いたと思われる2行ほどの走り書きがありました。好古もよく名刺の裏にメモをとることがあったと伝記に書かれているのですが、その逸話と同じような名刺を頂くことができたというのもまた別の意味で嬉しいことです。
秋山さんも大石さんも気さくな方で、好古・真之の人柄や秋山家の雰囲気というものが何となく体感できたような気がしました。お二人とお話できたのは10分ほどですが、今まで「坂の上の雲」のサイトを作っていて一番良嬉しかった瞬間でした。今後もこれを超える感動は無いでしょう。